3月5日宮城県議会予算総括質疑の映像が公開されました。
3月5日宮城県議会予算総括質疑の映像が公開されました。
質疑の内容は以下の通り。
1、東日本大震災復興関連予算について
(1)ハード面での復興には道筋がつき、私たちの経験や教訓を次の世代、次のまちづくりにどうつなげるのか?が大変重要だと考えている。
これまでの10年をどう検証し、次の地域づくりにどうつなげていくのか?今の村井知事のお気持ち、お考えは如何か?
(2)昨年12月22日に会派の有志で旧石巻市立大川小学校を訪問した際、ご遺族からは「県教育委員会は組織を守るという姿勢ではなく、判決を教訓として、しっかりと防災教育に取り組んで欲しい。震災遺構大川小学校が多くの犠牲者を悼む慰霊・追悼の場としてだけではなく、命の尊さを伝え、避難の重要性を忘れないための場、小さな命の意味を考える場になるようにしてほしい。」との願いを拝聴した。
このお気持ちを汲んでいただき、防災研修を実施していただきたいと思うが如何か?
2、新型コロナウイルス関連予算について
(3)都道府県の役割として、①地域の卸業者等との調整②市町村事務に係る調整③医療従事者等への接種体制の確保④高齢者施設の入所者等への接種体制の構築⑤専門的相談体制の確保⑥新型コロナワクチン等の割り当て、の6つの項目が挙げられている。
今回計上されている8,000万のワクチン接種体制整備費で十分対応可能か?
あわせて、実際の実務を担う市町村からも人の手配等、体制整備に係る予算が膨大になることから、上限枠を撤廃し、全額国費による財政負担を求める声が出ているが如何か?
(4)高齢者63万人に対し、今月中に納品が確定しているのはわずか1万725名分、約1.7%とのこと。
しかしながら、6月までのどのタイミングで届くのか?は全くわからず、一度に全量が届くのか?分納になるのか?また、すべてがファイザー社製ワクチンなのか?全くわからない。
県内35自治体すべてに均等割することになるのか?感染状況等を勘案して、例えば感染者数の多い自治体から割り振ることも検討するのか?
(5)管理システムについても内閣府の新システムと厚生労働省のV-SYSに対する不安の声も多い。
システム自体への不安、運用への不安、また、対応する人的確保の不安等など、そもそも、2つのシステムを併用することは、入力作業も含めて間違いの元になる可能性が高い。
全国的にはLINEを活用した予約システムの導入を検討している自治体もあるが、少しでも現場の不安や負担が少なくなるようご調整をいただきたい。
(6)卸業者との調整も県の役割になる。ファイザー社製ワクチンは接種会場への直送、近く承認されるであろう「アストラゼネカ社製」「モデルナ社製」は地域卸業者が配送業務を担うことになっている。
どのような方針で対応されるのか?
(7)日本介護クラフトユニオンの調査によると、同ユニオンで感染した感染者数407名のうち、約25%が在宅系サービスの従事者だったとのこと。優先接種に在宅系従事者も加えるべきと考えるが如何か?
(8)介護クラスター対策として、①ケア付き宿泊療養施設確保費や②在宅要介護障がい者支援事業③高齢者医療支援費が計上されている。
現時点での進捗状況、今後のスケジュールについてお聞かせください。
3、新・宮城の将来ビジョン関連予算について
(9)ケアラーとは「介護や看病、療育が必要な家族を無償でサポートする人」のこと。
ヤングケアラーについては、負担が過度になれば、学業や人格形成、進路などに深刻な影響が出るとされているが、家庭の事情が周囲に伝わりにくいため実態解明や対策が遅れている。
不登校やいじめ対策対策、各種自立支援事業をより実効性のあるものにするためにも、ケアラー、ヤングケアラーの現状を把握する必要があると思うが、県の認識は如何か?
(10)BPOを活用した障がい者工賃向上モデル推進費について、この事業は就労継続支援B型事業所だけではなく、就労継続支援A型事業所も対象になるか?
A型事業所では65歳以降も就労が可能になり、生活困窮者の社会復帰の第一歩として活用できるようになっている。
是非、B型の工賃倍増だけでなく、A型事業所の仕事倍増、賃金UPも目指していただきたい。
4 環境負荷の少ない地域経済システム関連予算について
(11)令和3年度予算の中には2050年二酸化炭素排出量ゼロを目指すための予算が多く盛り込まれた。
再生エネルギー比率を増やすことと同時に、徹底した省エネルギー化の推進、例えば公共施設や住宅の高気密化等も大きな課題。
省エネ基準の説明義務化を契機に、UA値(外皮平均熱貫流率)を基準とした高気密・省エネ住宅に対する助成制度を検討すべきと考えるが如何か?
(12)都市部における建築物の木造・木質化を推進する「みやぎ材イノベーション創出支援費」「県産材利用サスティナブル住宅普及促進費」について。
仙台市宮城野区に純木造7階建てのビルが完成した。
「都市に森を作る」というコンセプトで「COOLWOOD」という木質耐火部材によって中高層建築への木造の採用を可能にしている。
こういった新しい技術との連携も検討すべきだと思うが如何か?
5、文化芸術の振興関連予算について
(13)美術館リニューアル整備費について。
同じ前川國男氏設計の福岡市美術館では、「PFI(RO)方式、サービス購入型」を取り入れることで、国の補助金に頼らない現地改修を実現している。
宮城県美術館でも検討の余地があると思うが如何か?
※「PFI(RO)方式、サービス購入型」:民間事業者が既存の公共施設を整備・運営し、公共が利用者に代わって公共サービス料金を支払うことによって民間事業者が整備費用を改修すもの。
(14)慶長使節船ミュージアムリニューアル整備費について。
サンファン号保存を求める世界ネットワークの方々は「なぜ今頃」という声があることもよく理解された上で「再現不能な復元船を本当に解体していいのか?」という思いで活動されている。
どんな保存方法を検討し、また、どの程度の予算が必要になるとの結果だったのか?調査結果をオープンにすることは可能か?
6、宮城県戦略的魅力発信費について。
(15)「県内外に向けて観光、食、震災復興、移住促進等宮城の様々な魅力を総合的・継続的に広報することで、地域ブランドの向上、地元への愛着心の形成、関係人口・交流人口の増加を図ること」を目的としていますが、言うは易し行うは難しだと思っている。
現在想定している具体的な取り組みについて伺う。
(答弁を含めて)40分の持ち時間で1兆円を超える予算質疑。
どんな事業を取り上げるのか?相当悩みました。
現在は所属する「経済商工観光委員会」で経済、資金繰り、雇用対策予算等を審議しています。
限られた予算を如何に使うのか?
日々責任の重さを感じています。
<石田一也 予算総括質疑映像はこちら↓>