福島第一原子力発電所 視察。
廃炉資料館では過酷事故に至った経過について、映像を通して、あらためて確認できました。
新事務本館に移動し、廃炉作業の概要について説明受けた後、防護装備を着用した上で、発電所構内を視察いたしました。
◆1〜4号機原子炉建屋外観俯瞰エリア
◆増設した多核種除去設備(増設ALPS)
◆K4タンク群
◆放水立杭建設現場(処理水放出設備)
◆海洋生物飼育試験施設 他
毎日4500人前後の作業員が構内に入り、計画的に廃炉作業が進められています。
Gゾーンと呼ばれる一般服エリアが約96%に拡大され、労働環境もかなり改善されているようです。
一方で、廃炉作業が本当に困難で、長い工程になることを実感できました。
2041年〜2051年までの廃炉作業終了を目標にしていますが、本当に可能なのか?最終的な廃炉費用はいくらになるのか?
正確に答えられる方がいたらご教授いただけると幸いです。
【事故の総括】※東京電力資料より
2011年3月11日の地震と津波により、事故の収束に有効に作動すると説明していた安全設備のほとんどすべてが機能を喪失しました。
このような事態に至ってしまったのは、設計段階において外的事象(地震と津波)を起因とする共通原因故障への配慮が足りなかったことが原因です。
さらに、運転開始後にも海外の安全強化策に対して収集・分析して活用する仕組みが不足しており、設備の継続的な安全性の向上が十分ではありませんでした。
当社は、設計段階の技術力不足、さらにその後の継続的な安全性向上の努力不足により、炉心溶解、さらには広域に大量の放射性物質を放出させるという深刻な事故を引き起こしましたことを、深く反省いたします。
今回の視察を通して、東京電力さんの福島復興への責任ある対応、覚悟を感じることができました。
反面、国策で進めてきた原子力政策に対し、政治はあの過酷事故、大惨事を反省したのか?教訓にできているのか?と自問自答しています。
私自身は反原発の立場ではありませんが、原発の60年超運転を可能にする内容が含まれる「GX脱炭素電源法(束ね法)」については、あまりに進め方が強引で、あの事故の教訓をないがしろにしてしまったと感じています。
福島第一原子力発電所を見ないままに、賛成票を投じた国会議員がいるとすれば、是非、一度足を運んでください。